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20.12.15
kurashiruに学ぶ、目的と手段を取り違えないことの大切さ
現在、インスタグラムの料理レシピ紹介のジャンルで「Tasty Japan」と「kurashiru」が火花を散らしています。フォロワー数では671万人と324万人ですから、Tastyが優勢に見えるのですが、実際のところはどうなのでしょうか?
少し考えてみたいと思います。

kurashiruがインスタを使う目的はフォロワーの獲得ではない
Tastyとkurashiruの両者は同じジャンルにカテゴライズされがちですが、インスタへの露出の仕方は多いに異なります。Tastyが投稿するレシピ動画はインスタで完結してしまうことに対して、kurashiruはレシピ動画よりも「記事的な動画」を多く投稿しているのです。
記事的な動画とは「絶品とろけるチーズレシピ8選」などのタイトルで、レシピの数だけダイジェスト版の動画がアップされたもののことです。ザックリとした手順しか紹介されていませんから、それだけでは実際の料理に活用するのは難しいでしょう。
なぜkurashiruはインスタで完結させないのか?
それは専用アプリを活用してほしいからです。記事的な動画には「レシピの詳細はアプリをご覧ください」というキャプションが添えられています。
目的は専用アプリのダウンロードと依存度の向上だった
レシピを活用するという点でインスタと専用アプリを比較すると、軍配が上がるのは圧倒的に後者です。レシピを検索したりお気に入りに保存したりできますから、kurashiruへの依存度も高まります。
依存度が高まったら、次はマネタイズです。
先日の専用アプリのアップデートでは、レシピを見ながら食材をイオンECサイトで検索・購入できるようになったのですが、インスタグラムで完結していてはこうはいきません。
インスタだけで完結させる戦略を取ったTastyは、フォロワー数では確かにkurashiruに差をつけています。一方でkurashiru専用アプリのダウンロード数は、昨年末で2,000万となっています。動画再生回数も月間2億回を突破し「国内No.1のレシピ動画サービス」を名乗るまでになったのです。
まとめ
インスタのフォロワー数を伸ばすことは大きな意味を持ちます。企業とのタイアップなどマネタイズもしやすくなるでしょう。しかし専用アプリのダウンロード数向上のメリットは、フォロワー数向上の比ではありません。
ユーザーの依存度は高まりますし、マネタイズの自由度も段違いです。
kurashiruはインスタグラムを目的ではなく、専用アプリをダウンロードさせる手段であると位置づけました。この点でTastyよりもずっと上手だったのではないでしょうか。
「目的と手段を取り違えてはいけない」とは良くいわれることですが、忘れないようにしたいものです。何もSNSマーケティングに限ったことではありませんが。
参照元:kurashiru公式インスタグラム(https://www.instagram.com/kurashiru/)、kurashiru公式HP(https://www.kurashiru.com/)