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20.03.31
ブランド
デジタルでの強さは、非デジタルでの深い関係性がゆえ。「スノーピーク」に学ぶ
社長が代替わりしたり、住宅地をプロデュースしたりと何かと話題の「スノーピーク(Snowpeak)」は、新潟県三条市に本拠地を置くアウトドアグッズのブランドです。品質の高さや「焚火台」などユニークな製品で知られるスノーピークを支えているのは熱心なユーザー、他のブランドでは見られないような深い関係を作り上げています。


やや一方的にもかかわらず数多くのフォロワーを獲得
ブランドとユーザーの関係性が深いというと、ツイッターでコメントを返すなどSNSを通したものが想像されます。しかしスノーピークは異なります。ツイッターやインスタグラムでの発信はどちらかというと一方的、内容も公式サイトを転載したものがメインです。
フェイスブック「Snow Peak コミュニティ」ではグッズの使用法など情報交換がなされていますが、それらは主にユーザー間。ブランドは主に管理者として機能しています。スノーピークはSNSをユーザーとの関係を深めるツールとは位置付けていないかのようです。
にもかかわらず公式ツイッターは3万8,000人、インスタグラムは17万人ものフォロワーを抱えているのはなぜでしょうか?
寝食を共にすることで深い関係を築く「Snow Peak Way」
それはブランドがユーザーと深い関係を築き上げてきた結果だと思います。方法の一部をお伝えしましょう。
たとえば、ブランド毎年恒例のイベントに「Snow Peak Way」があります。これはユーザーとのキャンプイベント、社員はもちろん社長まで参加して、短い時間とはいえユーザーと寝食を共にするという濃密な時間を過ごします。1998年以来、毎年恒例となっているこのイベント、現在では抽選となるほどの人気です。
またスノーピークは実店舗におけるコミュニケーションも重視、国内30箇所で展開する直営店ではユーザーと1対1の関係を大切にしています。その他の販売店も厳選し問屋を介さずに取引、ユーザーとのコミュニケーションはかなわないものの、売場担当者との関係性を深めています。
まとめ
「ユーザーとの関係性強化のために、D2C企業が店舗を持ちたがる」こんな事例を今までにも紹介してきましたが、同じことをスノーピークも考えています。前者はECサイトが先、後者は店舗(キャンプイベント?)が先という違いはありますが狙いは同じ。結果、スノーピークのECサイトも好調な売上で推移しているようです。
SNSやオウンドメディアを駆使したマーケティングはもちろん大切です。しかし、それもユーザーとの濃密な関係性があってのことということをスノーピークの事例が教えてくれます。
デジタルでの強さも、実店舗などで築いた非デジタルの関係性があってこそ。デジタル・非デジタル両方がそろわなければ、これからの時代は成功がおぼつかないということではないでしょうか。
参照元:スノーピーク公式フェイスブック(https://www.facebook.com/groups/352667321601454/)、ツイッター(https://twitter.com/SnowPeak_Japan)、インスタグラム(https://www.instagram.com/snowpeak_official/?hl=ja)