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22.12.31
工務店
工務店におけるブランディングの重要性とは?イチから実践する手順も解説します
ブランディングに成功している工務店は、高い認知度を生かして、集客の数と質を高めることができます。競合との差別化ができれば高い利益も期待できます。
「自社でもブランディングに取り組みたい」
「取り組んではいるが、効果が出ていない」
「ブランディングを何から始めれば良いのかわからない」
ブランディングの重要性は理解していても、取り組み方や改善の方法がわからないという、工務店の経営者・マーケティングの担当者も多いのではないでしょうか。
工務店ブランディングを進めるうえで重要となる考え方や取り組み方について、詳しくご紹介いたします。ブランディングの成功に繋がるノウハウをたっぷり共有いたします。ぜひ最後までご確認いただければと思います。
全国600社以上の工務店・ハウスメーカー・住宅会社様の「Webでの集客アップ」のお手伝いをしている株式会社新大陸が執筆しています。
工務店ブランディング戦略で競争を勝ち抜く
ブランディングとは、自社および自社商品の価値や信頼を高めるコミュニケーション活動のことです。
そもそもなぜ工務店においてブランディングが必要なのでしょうか。
その理由のひとつに住宅市場の環境が年々厳しさを増しているという事情があります。かねてから指摘されている少子高齢化に加え、「住宅を購入せず賃貸のまま暮らす」「リモートワークが多いため自宅は田舎に構える」といった方も増えています。
ライフスタイルの多様化によりユーザーのニーズが細分化され、自分の好みに合った住宅メーカーや工務店で家を建てたいという方が増え、逆に建て売りなどは脱個性化の代わりにとにかく安さを求める価格競争が激しさを増しています。
こうした厳しい市場環境で生き残っていくためには、自社らしさの追求し付加価値を高める工務店ブランディングが重要です。
工務店ブランディングを行うメリット
自社のブランディングを確立することは、住宅市場における優位性の確保と価格競争からの脱却につながります。また、働く社員のモチベーションアップや採用における強みにもなるなど、たくさんのメリットがあります。
集客の費用対効果が高まる
工務店の集客には多額の費用がかかるのが一般的です。
工務店ブランディングを進めることで集客の費用対効果の改善にも大きく寄与します。
具体的には、自社商品を認知しているユーザーは集客費用をかけなくても自らインターネット検索や問い合わせなどから流入してくれます。リスティング広告を出稿する際には、自社商品の固有名詞を使った広告はクリック単価が安く費用対効果が優れています。
自らインターネット検索してくれる熱心なファンだけでなく、自社商品を知っている一般の方のコンバージョン率(CVR)改善にも大きく影響します。見たことのない商品やサービスを選ぶ方は少なく、高額商品である住宅に関してはよりその傾向が強いためです。
ブランディングに取り組み自社の認知を広げている工務店は、集客・マーケティングにおいても競合に対して優位に立つことが出来るのです。
価格競争からの脱却
情報収集が容易になり、より多くの情報にアクセスできる現代において、工務店をインターネット検索やSNSで探して比較するのが当たり前の時代です。
ブランディングがうまくいっていない工務店は、選ばれる可能性が低いだけでなく、没個性となり低価格で販売しないと売れない悪循環に陥る可能性があります。
ブランド住宅は単に価格や高性能、デザインや素材の良さを売りにしている訳ではなく、これまでの販売実績による信頼やブランドが出来上がるまでのストーリーも含めて判断します。
信頼と実績を積み重ねて工務店ブランディングを成長させることで、厳しい市場環境においても競合との価格競争から脱却することができます。
競合他社と差別化できる
ブランディングの大きなメリットとして競合他社との差別化も挙げられます。特に、同じ地域で似たようなサービスを提供する多数の工務店が存在するときには、自社だけが提供できる価値を明確にすることが重要です。
ここでは、法人向けの特徴と個人向けの特徴とで強みの分析も必要になります。
法人の場合には、プロ図絵区との実績と信頼性、コストパフォーマンスと効率性、環境に配慮した持続可能な建築材料の使用などが差が付きやすい項目になります。
個人の場合にはオリジナル性の高いデザイン、快適性の追求、地域密着、コミュニティへの貢献などで差をつけることが出来ます。
これまでの実績で特徴的な項目があれば、SNS等を絡めてアピールしていくことも重要です。
社内の意識変化
工務店ブランディングは従業員のモチベーションアップにも大きく貢献します。
自動車業界最大手のトヨタ自動車の現場作業員は、他社に比べて誇りを持ってクルマの組み立てを行っている作業員が多いことは有名な話です。従業員ひとりひとりが自社の家づくりの思いやブランドに共感して誇りを持つことで、仕事へのやりがいや結束力、品質の向上につながります。
ブランディングを通じて社内に一体感が生まれることで、離職率の低下や新規採用にもプラスに働きます。
工務店ブランディングを行うデメリット
一見良いことばかりのように思える工務店ブランディングですが、気をつけなければならない点もあります。
ブランドの構築には構想〜実行〜普及まで時間がかかり、その分費用もかかります。さらに、何か問題を起こった場合、知名度が高いほど悪評が一気に拡散してしまうリスクもはらんでいます。
ブランディング費用がかかる
中小企業の工務店を悩ませる問題のひとつが、ブランディングには多額の費用がかかる点です。
「マーケティングとブランディングを一体化したい」と考える方もいらっしゃいますが、あまりおすすめできません。一般的にブランディングとマーケティングは訴求する内容が異なることが多く、両方を満たすクリエイティブは非常に難しいです。
ブランディングとマーケティングを混同してしまうと、ブランディングに寄与しないばかりか、集客数にも悪影響が出てしまう可能性があります。
工務店ブランディングを進めるうえでは、やはりブランディング予算としてしっかり確保して腰を据えて実施していく必要があります。
認知が向上するまでに時間がかかる
ブランディングは集客施策と比べると、成果につながるまでに長い時間がかかります。これを実施すればブランドが確立できるという、鉄板の方法というのもないはずです。
ブランドを作るためには商品の質やサービスを高め、企業としての信頼を獲得していく、地道な施策を積み重ねるしかありません。
ブランドイメージは、一般の認知度やサービス品質、アフターフォロー、トラブル対応、品質の良さ、他にはないオリジナリティ、お客様からの口コミなど、さまざまな要素から成り立っています。
長期的な取り組みになることを理解したうえで、コツコツと努力を重ねる忍耐強さもブランディングを成功させる鍵とになります。
不祥事があったときに拡散されやすい
積み上げた信頼は、ときに一瞬で崩壊することもあります。
これは工務店ブランディングにおいても同じで、SNSの普及や一般の方の発信力が高まった影響から、炎上とも呼ばれる悪いイメージの拡散には注意が必要です。また、一度起きたことはSNSやインターネット上にデジタルタトゥーとして一生残ります。その後のブランディングや営業活動にも大きな悪影響を与えかねません。
ブランドを構築する工務店は、トラブルや問題を起こさないことは大前提ですが、もし何か問題が発生したら迅速に正しい対応を行うことが自社のブランドを守ることにつながります。
工務店ブランディングを進めるための基本的な考え方
ここからは工務店ブランディングを進めるうえで基礎となる考え方をご紹介します。
ブランディングは長い時間を掛けて構築するため、最初の設計が非常に重要です。ブランドコンセプト自体に魅力がなかったり、自社の強みと合わないものを設定してしまうと、かえって自社のブランドが足かせになってしまうかもしれません。
ブランド構築に向けた戦略づくりは、自社とお客様、両方の視点から、時間を掛けて納得できるものを作り上げてください。
ペルソナを設定する
自社で住宅を建てたいと考えるお客様はどんな思いを持っているでしょうか。また自社はどんなユーザーに知ってもらい、どんな家を提供したいと考えているでしょうか。
ここがブランド作りに置いて一番重要な点となります。
ペルソナ像が具体的であればあるほど、コンセプトの独自性が高まり、商品の差別化につながります。
例えば「近いうちに子どもを持ちたい30歳〜40歳の共働き夫婦」そして「休日はサーフィンをして、西海岸にありそうな開放感のある家」などペルソナの解像度を高めて、自社の狙うべきお客様の理想像を作っていきます。
自社の強みを理解する
自社の一番の強みはなにか。どんな思いで家づくりをしているのか。
ブランディングに取り組むためには、こうした自社の強みや思いをはっきりさせる必要があります。強みの理解が十分でないと、コンセプトは定まらずブランディングも誤った方向に進んでしまう可能性があります。
自社の強みを正しく理解することは案外難しく、先入観に邪魔をされたり、自分にとっては当たり前だと思っているところに強みがあったりします。
うまく強みを見つけられないときは、お客様からもらったアンケートやメール、自社の外の声を聞くことで見えてくることもあります。
価格やデザイン、性能だけでなく安心感やアフターサービスなど、どれも強みとなります。もちろん強みはひとつである必要はなく、強みを組み合わせることでより大きな魅力が見つかるかもしれません。
独自性のあるコンセプトを設定する
ペルソナが固まり強みも理解できれば、作るべきコンセプトが自然と見えてくるのではないでしょうか。 ここで競合との違いや流行りなども取り入れることで、よりコンセプトの解像度が上がってきます。
一度決めたコンセプトはこれから何年間にも渡り、ブランディングやマーケティング、採用に至るまで、常に利用していくこととなります。 しっかりと時間を掛けて、納得のいくコンセプトを作り上げてください。
実績や口コミを増やす計画を立てる
ブランドはコンセプトだけでは成立しないことは先ほどお伝えしたとおりです。
強いブランドはたくさんのファンによって支えられています。
価格や性能、デザインだけでなく、その住宅を購入して日常を過ごすお客様に満足していただき、ひとつひとつ信頼と実績を積み重ねることで本当のブランドへと成長していきます。
実績や信頼もただ待っているだけでは武器にはなりません。満足度を向上させるアフターフォローや口コミを集める施策、実績を認知させるためのマーケティング戦略など、中長期的な計画を立てて実行することで、着実に実績がブランドを形作っていくはずです。
工務店のブランディングで活用すべき施策5選
ここまで、工務店におけるブランディングのメリット・デメリットや進めるうえでの考え方について説明してきました。
最後に本パートでは実際に有効な施策について解説していきます。活用するべき施策は以下の通りとなります。
- 展示会・イベント
- オフライン広告(CM・紙面広告・駅広告)
- オンライン広告(Google広告・Yahoo!広告・Meta広告など)
- SNS活用(Instagram・Twitter・TikTokなど)
- コンテンツSEO
聞いたことのあるワードやなじみが薄いワードもあるかと思います。ここからはそれぞれを具体的に解説していきます。
展示会・イベント
展示会やイベントは、直接顧客とコミュニケーションが図れる貴重な機会です。
これらの場では、自社の建築スタイル、新技術、最近のプロジェクトなどを紹介し、来場者に実際に触れてもらうことが可能です。
また、セミナーやワークショップを通じて、住宅建築の知識や最新の住宅トレンドについて情報提供することで、来場者の関心を引きつけることができます。
展示会やイベントは、顧客との信頼関係を築き、口コミ効果を促進する絶好の機会となり得ます。
オフライン広告(CM・紙面広告・駅広告)
オフライン広告は、地域の顧客を幅広くターゲティングする際に効果的な手法です。
テレビCMや新聞、雑誌の紙面広告、駅や公共交通機関での広告は、幅広い年齢層にリーチすることができ、工務店の知名度と信頼性を高めるのに効果的です。
特に駅広告は、地域密着型の工務店にとって、そのエリアに住む潜在顧客に効率的にアプローチする方法の一つです。
オフライン広告は、オンライン戦略と組み合わせることで、より強力なブランディング効果を発揮します。
オンライン広告(Google広告・Yahoo!広告・Meta広告など)
オンライン広告は、ターゲットとする顧客層に合わせて精密にアプローチできるため、工務店のブランディング戦略に不可欠です。
Google広告やYahoo!広告を利用することで、検索キーワードに基づいたターゲティングが可能となり、潜在顧客の関心とニーズに応じた広告表示ができます。
また、Meta(FacebookやInstagram)の広告は、ユーザーの趣味嗜好や行動履歴に基づいて細かくターゲティングを行うことができ、高いコンバージョン率を期待できます。
これらのプラットフォームでは、効果測定ツールも充実しており、広告のパフォーマンスをリアルタイムで分析し、最適化することが可能です。
SNS活用(Instagram・Twitter・TikTokなど)
SNSは工務店のブランディングにおいて、親しみやすさとリアルタイム性を兼ね備えたコミュニケーションツールとして非常に有効です。
Instagramでは、完成した住宅の美しい写真やビフォーアフターの投稿を通じて、デザイン力や施工技術をアピールすることができます。
TwitterやTikTokを利用して、工事の進捗状況や日々の業務の様子をシェアすることで、フォロワーとの距離を縮め、ブランドへの愛着を深めることができます。
また、ユーザーからのフィードバックや質問に迅速に応答することで、信頼性と顧客満足度を高めることが可能です。
コンテンツSEO
コンテンツSEOは、検索エンジンからの自然流入を増やすことで、工務店のブランド認知度を高める戦略に効果的です。
ウェブサイトやブログに、住宅建築に関する有益な情報、DIYのヒント、最新の住宅トレンドなど、検索ニーズに応える質の高いコンテンツを定期的に投稿します。
これにより、検索結果の上位に表示される確率が高まり、潜在顧客のウェブサイト訪問が増加します。
さらに、有益な情報を提供することで、ユーザーからの信頼を得られ、長期的な顧客関係の構築につながります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
効果的な工務店ブランディングを行うためには、入念な設計と計画を立てること、コツコツと信頼を積み上げていく中長期的な視点が必要なことが理解いただけたのではないでしょうか。
ブランディングにかかる多くの費用や時間を無駄にしないためにも、しっかりと時間をかけてプランニングを行い、専門知識を持つ外部のパートナーの意見にも耳を傾けることでより魅力的なブランドが構築できるはずです。
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最後までご覧になっていただき、ありがとうございました。