

Marketing columnマーケティングコラム
- トップページ>
- マーケティングコラム>
- 地方工務店の課題とは?経営と集客力向上の方法を解説します
23.02.18
工務店
地方工務店の課題とは?経営と集客力向上の方法を解説します
現在の住宅産業は、少子高齢化による国内市場規模の縮小、新型コロナウイルスに起因する集客力の減少など、深刻な課題を複数抱えています。
工務店も例外ではなく、今後の厳しい時代を生き抜くためには、情勢により変化する顧客ニーズに応じた経営戦略の見直しが求められています。
そこで本記事では、工務店を取り巻く経営環境の変化と具体的な解決策を集客・資金・採用・業務に分けて解説します。
工務店の経営課題を理解して、その解決策を模索することで、今後の工務店経営に必要な施策が見えてきます。
全国500社以上の工務店・ハウスメーカー・住宅会社様の「Webでの集客アップ」のお手伝いをしている株式会社新大陸が執筆しています。
新大陸の考えるトリプルメディアマーケティングもぜひご覧ください。
地方の工務店を取り巻く経営の環境について
工務店を取り巻く経営環境は、少子高齢化などの影響を受けて大きな転換期を迎えています。
中でも、今後の経営環境を左右する重要なテーマと言われているのが、以下の3つの課題です。
・少子化による着工数の減少
・費用対効果の悪い従来の集客手法
・高齢化による職人の不足
ここからは、工務店の経営課題と動向について、項目を分けて詳しくご紹介します。
少子化による着工数の減少
2021年に公表された野村総合研究所の住宅市場予測によると、新設住宅着工件数は、2021年度の87万戸から2040年度には約56%減の49万戸に減少するという結果が出ています。
また国立社会保障・人口問題研究所が公表した日本の世帯数の将来推計調査では、世帯総数は 2023 年の5,419世帯をピークに減少開始すると、2040 年には 5,076 万世帯まで減ると予測しています。
上記からわかるように、工務店経営を支えるファミリー層は今後減っていくことが予想されており、減少に伴い住宅産業の国内市場規模も縮小することが確実視されています。
加えて、東京圏への人口一極集中も進行しており、地方はより新設住宅着工件数が減少すると言われています。
費用対効果の悪い従来の集客手法
工務店などの地域性が高い業態では、顧客からの紹介に頼った営業が多く、積極的な集客はこれまで行われて来ませんでした。
しかし、昨今では家族や知人など横の繋がりは減って、紹介に頼った営業だけでは経営が成り立たない時代になりつつあります。
さらに、従来の集客ツールであるチラシやイベント、看板などもそれぞれ新聞の購読者の減少、コロナ禍における人の多い場所を避ける行動変容、外出そのものの減少などを背景になかなか成果に繋がらなくなっています。
今後、従来のビジネスモデルしか持たない工務店は、集客において大きな遅れを取る可能性が高いため、Webサイトなどを活用したインターネット集客への対応が求められます。
高齢化による職人の不足
住宅業界は肉体労働や長時間労働などのイメージが強く、世間から長らく「3K(きつい・危険・汚い)」を代表する仕事だと認識されてきました。
これにより、現場に若い世代が入ってこない状況が続いており、職人の高齢化と人手不足が深刻化しています。
また、工務店が若い世代を一人前に育てるにしても、現場は人の手による作業が多く、“職人技”ともいうべき技術の継承であるため、育成期間は長期になりがちです。
職場や人間関係が合わないとすぐに転職してしまう時代でもあるため、工務店の後継者問題を解決するには、定着率向上への仕組みづくりも重要になっています。
【集客改善】インターネット集客を取り入れた工務店経営
多くの課題を抱える工務店が厳しい状況下を生き抜くためには、インターネット集客を活用した、新しいマーケティング戦略への取り組みが必要不可欠です。
新設住宅着工件数の減少が見通される中で、工務店を維持・発展させるには、以下の5つの施策が重要となります。
・集客媒体を活用する
・広告出稿による集客
・SNSから見込み客を獲得する
・自社サイトを活用した信頼獲得
・見込み客を育成する仕組みづくり
以下で詳しく見ていきましょう。
集客媒体を活用する
「ライフルホームズ」や「タウンライフ家づくり」など工務店の一括資料請求サイトを活用することで、即効性のある集客が可能となります。
大手の一括資料請求サイトは圧倒的な集客力を誇っているため、安定してリードを獲得できる他、成果報酬で利用料を払うシステムが多いため、無駄な広告費用を抑えられるメリットもあります。
また、サイトによっては顧客管理やテレアポ代行などの業務支援サービスも受けられるため、上手に活用できれば、工務店は大事なクロージングだけに注力できます。
ただし、一括資料請求サイトを利用すると他社との比較に巻き込まれるため、最終的には価格勝負となり、収益を上げづらくなるデメリットがあります。
自社サイトを作ったばかりで集客できていない、または沢山のリードを獲得したい状況で、活用されることをおすすめします。
広告出稿による集客
コストをあまりかけることなく、効果を期待できる広告媒体として、リスティング広告があげられます。
リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果ページに表示される広告で、検索連動型広告とも呼ばれます。
顕在化したユーザーや工務店の名前・サービスを認知しているユーザーに対して直接広告を打つことが出来るため、契約につながりやすいことが特徴です。
リスティング広告の運用にはある程度の知識と経験が必要となりますが、上手に運用できれば費用対効果の高い集客を実現できます。
SNSから見込み客を獲得する
スマートフォンの普及と共に、SNSを利用した情報収集が若い世代の中で主流となりつつあります。
特に画像や動画に特化したSNSとして知られるInstagramは、見込み客に視覚的な訴求を行いやすいという特徴から、工務店との相性が良いとされています。
工務店のマーケティング戦略において、Instagramは自社のファン獲得や契約にも繋がる重要な媒体です。
Instagramを通じて顧客獲得を目指す場合、おしゃれで見栄えの良い画像投稿は必須で、その上で自社の特徴や強みをアピールすることが必要となります。
自社が得意とする家づくりを強調して、他社アカウントとの差別化を図ることができればフォロワーが増加して集客にも寄与します。
自社サイトを活用した信頼獲得
自社サイトとは、インターネットの利用が広く普及した現代において、多くの顧客獲得に寄与する重要な集客媒体のひとつです。
一般的に、自社サイトは企業やサービスに関心を持つ見込み客が訪れることが多いため、問い合わせなどの行動へ進ませるために、サイトの作り込みが必要となります。
家づくりは一生に一度の買い物と言われるほど多額のお金を費やすことから、お客様は信頼できる工務店へ依頼したいと考えます。
そのため、代表や職人の人となりがわかる紹介ページ、過去の施工事例、お客様の声などの信頼獲得につながるコンテンツは特に重要です。
実際に工務店を利用したお客様の好意的な感想は、家づくりの依頼を検討しているユーザーの不安を払拭して、依頼を後押しする効果があります。
その他、自社サイトで信頼を獲得するには、代表やスタッフの顔写真を掲載する、お知らせやブログを定期更新するなどの方法が効果的です。
見込み客を育成する仕組みづくり
一般的に、見込み客と工務店が数回接触しただけで成約することは稀で、多くの場合は成約するまで長いリードタイムが発生します。
そのため、「いつか欲しい」という検討段階の見込み客を、「この工務店に依頼したい」と思わせる、顧客育成の仕組みづくりが重要となります。
ナーチャリングと呼ばれる見込み客の育成には、自社の強みを把握した上で、自社サイト・SNS・広告などで共通のメッセージを打ち出す必要があります。
発信する手段としては、自社サイトとSNS(Instagram)を相互にユーザーが行き交う相互リンクの構築、家づくりに関する情報をメルマガで配信する、ブログやSNSによる情報発信などが考えられます。
【資金力】資金繰りを見直し、ムダを削減する
現場思考が強い職人気質の工務店経営者様の中には、綿密な資金繰りなど会社の財務管理を苦手とする方も多いのではないでしょうか。
工務店経営では、工事費用の支払い条件、工事ごとの粗利、銀行融資などの資金調達、人件費や経費など、把握しておくべき事項が数多くあります。
実際に、工務店の経営が行き詰まり廃業へ追い込まれる原因は、この財務管理が大きな要因を占めています。
これからの時代は、限られた見込み客に対して、適切な人材・資金を投入する効率的な経営が存続の鍵を握ります。
住宅産業の市場規模が縮小していく厳しい経営環境で、工務店を維持・発展させるためには、資金繰りを見直して無駄を削減することが求められています。
【採用】求職者に選ばれる地方工務店を目指す
住宅産業は現在、採用面において職人の高齢化と若い世代の人手不足という、2つの課題を抱えています。
これら採用面での課題には「求人サイトの活用」と「ブランディング戦略」という2つの解決策が存在します。
以下で詳しく解説します。
求人サイトを使いこなして安定した採用を実現する
採用を行う場合に、アクセスがそれほど多くない自社サイトだけでは、求職者に見つけてもらうことは困難です。
求職者を広く募集する際は、求人サイトを使いこなすことで安定した採用を実現できるようになります。
安定した採用には、求人媒体の中でも特に「Indeed」と「Googleしごと検索」の登録と最適化が重要です。
Googleしごと検索は、検索順位に全く関係なく画面の上部に表示されるため、検索上位をとれなくても上位表示されるという特徴があります。
日本人の8割が利用しているとされるGoogleの検索上位に表示されれば、ユーザーの目にとまりやすくなるため、多くの応募が見込めるでしょう。
求職者が働きたい職場をアピールする
「3K」の労働環境が印象づいてしまった工務店は、企業イメージが悪く、若い世代に避けられる傾向が強くなっています。
求職者の多くは、募集要項の条件面だけではなく、働きやすさ・企業の特徴・人間関係を考慮しています。
そのため、採用における「ブランディング戦略」を策定して、企業イメージを浸透させることができれば、応募してくる求職者を増やすことができます。
「ブランディング戦略」には、ひと目にとまりやすいSNSや自社サイト、求人媒体を活用したイメージアップ施策がおすすめです。
【業務】事務・現場作業の効率化を図る
ここ数年さまざまな業界で拡大するIT化は住宅業界でも広がりを見せ、ITリテラシーの高い工務店では、IT技術を活用した業務効率化や生産性向上に取り組んでいます。
IT分野に馴染みがないという経営者様も多いと思いますが、近年ではサポートが充実しているサービスや直感的に使用できるツールも増えています。
そこで、ここからは工務店の業務効率化に役立つツールをご紹介します。
ツールを用いた顧客管理
はじめに、代表的なツールについてご紹介します。代表的なツールは、「Salesforce(セールスフォース)」や「AnyONE(エニワン)」があげられます。
Salesforce(セールスフォース)
Salesforceは世界シェア1位のSFAで、PC、スマートフォン、タブレット端末など、どの端末からでも情報の確認と更新ができるほか、システムの自由度が高いことからカスタマイズできる幅が広いのが特徴です。
マーケティングツールや経理ソフト、SaaSといった外部のシステムともAPIによる連動や統合管理も行うことができ、データの分析や業務効率の改善に繋げることが期待できます。
AnyONE(エニワン)
AnyONEは工務店の経営管理や顧客管理に特化したSFAとして開発されており、受発注管理、見積もり作成、書類管理、定期点検の日程管理など、工務店の業務を一括管理することが可能です。
SFAツールは導入後現場へのいかに定着させるかも課題となりますが、AnyONEでは専門スタッフのサポートの他、講習会の実施、各種帳票のカスタマイズなど、定着支援が充実しておりサービス利用継続率が99.4%と高いことも特徴となっています。
これらのツールを上手に活用できれば、業務効率化はもちろん、機会損失の減少や顧客の管理や見込み客の掘り起こしなども可能となります。
ドローンやスマホを利用した作業の効率化
近年、ドローンを用いた外壁や屋根の点検、スマホを活用したバーチャル映像や3D映像の撮影が広がりを見せています。
ドローンは、これまで工数がかかり、職人の負担も大きかった外壁や屋根の点検を行えるため、現場作業を効率化する他、人件費削減の効果を見込めます。
またドローンで撮影した映像は、工事の進捗確認や営業の提案資料、土地の測量に至るまでさまざまな用途で活用できます。
今回ご紹介したドローンやバーチャル映像をはじめ、新しい技術を積極的に取り入れることは、業務効率と生産性を飛躍的に向上させます。
まとめ
この記事では、工務店を取り巻く経営環境の変化と具体的な解決策についてご紹介しました。
記事中でもご紹介したとおり、工務店は少子化による国内市場規模の縮小・効率の悪い集客手法・職人の高齢化と担い手不足など、さまざまな課題を抱えています。
これらの課題を解決していくためには、工務店経営を近代化させて環境変化に順応しやすい組織づくりが大切になります。
地方で効果的なインターネット集客を行えている工務店はまだまだ少ないため、これから取り組まれる場合でも、大きなチャンスは残っています。
インターネット集客や業務効率化は専門知識を必要とする場合も多いため、はじめて取り組まれる際には、専門知識を持った業者に相談してみてはいかがでしょうか。
新大陸では、Web集客に悩む工務店様向けに、お客様の社外Webマーケティング部としてトリプルメディア(SNS、ホームページ、Web広告)運用を総合的に支援しています。
年間戦略表策定などのマーケティング戦略立案、コンサルティングといった経営面でのサポートからコンテンツの企画・制作、アカウントの管理といった実務まで、最先端のWebマーケティングを全国各地のお客様へ提供しています。
例えば、弊社では【ホームページ対策 ✕ SNS対策 ✕ Web広告】の相乗効果を狙った集客により見込み客の獲得とあなたの会社のファンを増やし、成約数を増やしWeb集客の成功に導くトリプルメディアマーケティングをご提供しています。
新大陸の考えるトリプルメディアマーケティングもぜひご覧ください。
Webマーケティングに関するセミナーも開催しております。
最後までご覧になっていただき、ありがとうございました。