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Marketing columnマーケティングコラム

23.02.11

マーケティング全般

STP戦略の意味は?マーケティング戦略に活かす分析方法を紹介!

マーケティング分析には様々な手法があり、代表的なフレームワークの一つにSTP分析があります。市場や顧客を分析する手法であるセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングを組み合わせたものがSTP分析です。

本記事では、STP分析の活用方法に加えて、STPそれぞれを構成する分析手法の仕組み、分析方法についても詳しく解説しています。

ぜひSTP分析を上手に活用して自社の適切なマーケティングを実現してください。

全国600社以上の工務店・ハウスメーカー・住宅会社様の「Webでの集客アップ」のお手伝いをしている株式会社新大陸が執筆しています。

古作 雄一郎

プロデューサー

古作 雄一郎

前職では、大手都市銀行のグループ会社にて、経営計画策定や計数管理を担当。データに裏付けされたロジカルな提案が信条。データ分析から導き出した販促費用・媒体の最適化により、問合せ数を増加させつつ、年間販促費2,000万円削減を実現した手腕の持ち主。様々なクライアントに対する豊富な知見からクライアント毎の課題を可視化し、費用対効果を考えた上で施策の優先順位を考え、最終的な課題解決・成果創出にコミットしている。

そもそもSTP(エスティーピー)分析とは?

STP(エスティーピー)分析は、セグメンテーション(Segmentation)の頭文字S、ターゲティング(Targeting)の頭文字S、ポジショニング(Positioning)の頭文字Pから作られたマーケティング用語です。

Sは市場の細分化、Tはターゲットとなる市場の決定、Pは優位性の確保や自社の立ち位置を表しており、それぞれを明確にすることで効率的で柔軟なマーケティング戦略を立てることが可能になります。

アメリカの経営学者フィリップ・コトラーによって提唱されたSTP分析は、頭文字の順番通りS→T→Pと分析を進めていきます。

STP分析は何に役立つのか

STP分析ではマーケティングに必要とされる要素を3つに分けて考えていきます。

市場規模や将来性、課題や競合調査を行い、自社の立ち位置との関係も把握して、これから狙っていくべき市場や今後の戦略を把握することに役立ちます。市場全体や自社の環境が大きく変わった際には、早急な分析と対策が求められますが、こういった場面に置いてもSTP分析は有効です。

STP分析の分析手法について

STP分析の頭文字である、
・セグメンテーション(Segmentation)
・ターゲティング(Targeting)
・ポジショニング(Positioning)
それぞれの分析手法について具体的に解説します。

頭文字S セグメンテーション

セグメンテーションは、狙うべき市場を顧客やニーズなど共通項を見つけて細分化していきます。

まずは大きく、「消費財市場」と「生産財市場」の2つに分けることから始めていきます。次に「消費財市場」と「生産財市場」をそれぞれ4つの指標に分類します。

消費財市場

・人口動態軸(年齢・性別・家族構成・職業・年収、他)
・地理軸(地域・人口密度・住まい・行動範囲、他)
・社会心理学軸(ライフスタイル・価値観・パーソナリティ・購買理由、他)
・行動軸(購買活動・購買心理・購買のタイミング、他)

生産財市場

・人口軸(業種・規模、他)
・オペレーティング軸(使用頻度・能力・スキル、他)
・購買アプローチ軸(顧客の方針・購買意欲、他)
・状況要因軸(緊急性の有無・受注量、他)

消費行動が多様化している現代では、項目を列挙していくと細分化しすぎてしまう場合があります。細分化した市場は十分なサイズがあるか、自社の強みを活かせるか、というポイントを基に項目を挙げていくようにしましょう。

頭文字T ターゲティング

ターゲティングはセグメンテーションで行った細分化を基に、自社が狙うべき市場を決定します。自社の商品やサービス、強みが活かせる市場、ブランドイメージに沿っているか、ブランド力を活かせる市場を選択します。

ターゲティングでは、主に以下の3つの手法を用いて分析するのが一般的です。

集中型マーケティング

集中型マーケティングは、狙う市場を絞り込んでいくマーケティング手法です。市場を絞り込み経営資源を適切に投入することで、自社の強みを活かすことができます。

不特定多数の顧客ではなく、一部のファンになる顧客へのアピールに向いており、高級ブランドや特化型の商品やサービスのマーケティングに効果的です。

無差別型マーケティング

無差別型マーケティングは、セグメンテーションをあえて無視して、様々な市場に同一の商品やサービスを提供する手法です。

幅広いユーザーに商品やサービスを届けることが出来るため、市場が大きければ大きな売上が期待できます。資金力や商圏の広い大企業向けの戦略といえます。食品や日用品のマーケティングに利用されるケースが多いです。

差別型マーケティング

差別的マーケティングは、セグメンテーションを基にそれぞれの市場に適した、異なる商品やサービスを供給する手法です。市場に合わせて異なる料金体系や性能の異なる商品を販売する戦略も差別的マーケティングに含まれます。

頭文字P ポジショニング

ポジショニングでは、ターゲティングで決めた市場について調査を行い、自社の立ち位置について分析を行います。競合の価格や特徴、性能、品質やサービスなどの調査を行い、自社の商品やサービスと比較を行い、それぞれの強み弱みを把握することが重要です。

分析方法として、2軸のマトリックス図を使ったポジショニングマップを作成し、競合他社と自社を当てはめていく手法が一般的です。

X軸に値段、Y軸に品質など、それぞれに価値の軸を設定し、2軸のシンプルな図で分析することで正確で分かりやすい分析ができることにメリットがあります。

STP分析を行うメリットについて

STP分析を行うことで、顧客ニーズの把握、強みの明確化、戦うべき競合の把握に役立ちます。それぞれについて詳しく解説いたします。

顧客のニーズを把握できる

STP分析を進めることで顧客のニーズを把握して、どう振る舞うべきかが見えてきます。どんな顧客がどの市場に、どのくらいの規模いるのかを、ある程度把握することで自社の商品の競争力や弱みも見えてきます。

顧客のニーズを把握することで、ペルソナ像(ユーザー像)も具体化してくるというメリットもあります。

自社商品の強みが明確化される

ペルソナが具体化することで、自社の商品やサービスの訴求に活かすことができます。効果的なマーケティングを行うためには、自社の強みを把握してペルソナに刺さるアピールを行う必要があります。

分析の過程で自社の強みを、社内やチームで共有することができ、共通認識や組織力の強化にもつながります。

戦うべき競合かどうかの把握

ポジショニングで他社との比較を行うことで、差別化や立ち位置の把握、不要な競争の回避にもつながります。

同じ市場で商品やサービスを展開するからといって、競合全てと戦う必要はありません。分析を通じて、両者が狙う顧客や市場の違いが分かれば、価格競争のような不要な競争を回避できます。

STP分析をマーケティング戦略に落とし込む

STP分析を進めていくことで自社の優位性や立ち位置が見えてきます。この分析を基に、どの市場を狙うべきか検討して、マーケティング戦略に落とし込みましょう。

ターゲットとなる市場や顧客ニーズを把握できていれば、新しい商品やサービスを開発・改善していく際にも活用できます。

STP分析の注意点

自社の立ち位置や将来狙うべき市場を分析するのに適したSTP分析について、これまでご説明したメリットや分析結果を活かすためには注意すべきこともあります。

時にはSTP分析の結果を疑ってみる、他の分析手法と組み合わせるなど、マーケティングの正解を導くために必要な考え方を解説します。

STP分析の順番は柔軟に考える思考も大事

ここまでセグメンテーションから始まり、ターゲティング、ポジショニングと分析していく方法をご紹介しましたが、分析する商品やサービスに応じて時には順番を入れ替えたり同時に行うといった柔軟な発想も大事です。

例えば販売中の製品を分析する際には、販売実績を用いてポジションの分析から行うほうが効率的な場合もあります。

そもそも利益を得られる市場かどうか

STP分析で見えてきた市場のパイが小さい場合、その市場で戦っても十分な収益が得られない可能性があります。

あまりに小規模な市場であったり、市場の拡大が見込めない市場は、STP分析の結果以前に狙うべきではない市場かもしれません。

STP分析だけでなくマーケティング全体や会社の利益など、多方面から分析を行う意識を持って最適な市場を取りに行きましょう。

複数のフレームワークを組み合わせて分析する

STP分析の結果が、必ずしもマーケティングの正解というわけではありません。

マーケティング分析には他にも様々なやり方があり、SWOT分析ファイブフォース分析など、他のフレームワークも活用することでマーケティングの精度を高めていきましょう。

各注意点を意識しつつ、4P分析やPEST分析など他のフレームワークを組み合わせて、自社の分析結果を見直しましょう。

市場や顧客のニーズと合致しているか

STP分析に限らず、マーケティングの分析手法は分析者の主観が入りやすいものです。

自社の強みを発揮して、市場で評価される商品を作るためには、顧客のニーズに合致しているかも重要な視点となります。

どんなに良い商品であっても、求められていない機能、ニーズと合致しない訴求の商品は、結果的に誰にも響かない売れない商品になってしまいます。

STP分析は競合を分析して自社の狙うべき市場を見つけるだけでなく、客観的な視点から自社の商品を見つめることも意識して分析を行いましょう。

環境要因によって市場環境が変わることがある

STP分析を行って見つかった自社の強みや狙うべき市場は、自社でコントロールできない要因で市場環境や収益性が大きく変わることがあります。

例えば、法律の改正や規制、新型コロナや紛争などによって、市場そのものがなくなったり競合が大きく入れ替わるなどです。

まとめ

ここまでSTP分析について詳しく解説してきました。市場を顧客やニーズに分けて細分化して、どの市場で自社が強みを発揮できるのか、立ち位置はどこにあるのかを理解することがSTP分析のゴールです。

優れたマーケティング戦略を実現するためには、競合の理解や市場ニーズの把握が欠かせません。STP分析はその理解を助ける、有効なフレームワークになるはずです。

自社の収益を改善し大きく伸ばしていくために、ぜひSTP分析を活用していただければと思います。

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最後までご覧になっていただき、ありがとうございました。

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