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23.05.31
工務店
工務店の仕事内容は?職種別の仕事内容や工務店の種類の違いを学ぶ
工務店の仕事は、単に「住宅の販売」というだけでなく、家を建てたいお客様に住宅のプロ目線のアドバイスも行う営業職、希望に合わせた住宅設計をする設計職、建築工事の進行を監督する施工管理など、役割に応じて様々な職種があります。
「工務店で働きたいと思っている」
「工務店の仕事で何が重要なのか知りたい」
本記事は、こうした疑問や悩みを抱えていらっしゃる方に向けた記事となっています。工務店の働き方と現状、成果を出すポイントについて詳しく解説します。
全国600社以上の工務店・ハウスメーカー・住宅会社様の「Webでの集客アップ」のお手伝いをしている株式会社新大陸が執筆しています。
地方の工務店の役割とは?
工務店は専門の職人や施工業者を束ねて、工事全体の管理・マネジメント、お客様対応まで、建設に関する業務全体を受け持つ、総合的な工事請負建設業者です。多くの工務店が地域密着型で、地場のエリア内で戸建て住宅などを施工しています。
地方の工務店は、一般的に大手ハウスメーカーに比べて設計の自由度が高く、価格も抑えやすいため、個人のニーズに応じた住宅を提供でき、施主の要望をすべて満たしたフルオーダーのような住宅まで建てられることが魅力のひとつです。
また、地域によっては、文化や風土に配慮して景観を守りながら建物を提供することが求められますが、そういった地域における建築でも地場の工務店が強みを発揮します。
工務店の仕事内容
工務店の仕事内容は多岐に渡りますが、大きく分けると以下の5つに分類できます。
- 営業職
- 設計職
- 施工管理
- 事務職
- 建築後のアフターフォロー
全ての業務が分業されている工務店もありますが、いくつかの業務を兼務しているケースのほうが多いのが現状です。それぞれの仕事内容や求められる役割について詳しく解説していきます。
営業職
地方の工務店において、営業は会社の売上や利益に関わる最も重要なポジションといえます。営業担当者は、お客様からの問い合わせを受けて、設計士や施工管理者と協力して、お客様の要望に応える提案書の作成も行います。
また、規模の小さい工務店になると、営業職が最もお客様を理解していることを理由に、営業が自社の戦略の立案やマーケティング活動まで担当するケースもあります。
多くのお客様にとって住宅の購入は人生で一番大きな買い物となるため、検討期間が長く、工務店や担当者が信頼できるかどうかが重視されます。そのため、工務店の営業としてはお客様との信頼関係を会社、個人の両方で築くことが求められます。
設計職
工務店の設計士は、建築基準法や住宅の性能基準を遵守しつつ、お客様の要望やライフスタイル、予算、土地の状況などを考慮したうえで住宅設計を行います。工務店では、基本的にお客様とのコミュニケーションを密に行って個別の設計を提供し、自由な仕様の住宅を作れることが特徴です。
設計の仕事には、CADを使って図面を作成したり、モデリングソフトウェアを用いて、建物の立体的な模型を作成したりすることに加え、内装材やインテリアの設計、工事着工に必要な建築確認申請などが含まれるケースもあります。
施工管理
地方の工務店の施工管理者は、建築工事がスムーズに進行するように、施工図面を作成したり、現場の進捗管理を行ったりします。主な業務を分けると以下の4つです。
工程管理・・・職人の配置、資材の手配、スケジュール管理など
品質管理・・・仕様書や設計図通りの建設を担保するための検査や管理など
安全管理・・・建設現場の安全教育やパトロール、環境整備など
原価管理・・・予算内で工事を完了するために人件費や材料費を管理する
施工管理者は、上記の職務を兼務したり、営業や見積もりを担当することもあります。
事務職
工務店の事務は、お客様の問い合わせ対応や見積もり作成、契約書作成、アフターサポートなどが主な仕事です。お客様や施工業者など外部とのやりとりも多く、正確かつ迅速に対応することが求められます。
他の業務に比べて地味な印象も抱かれがちな事務ですが、各業務を繋ぎサポートを行う重要な役割であり、縁の下の力持ちといえる働きを担っています。
建築後のメンテナンス
建物の完成後は、長期にわたり定期的なメンテナンスが必要になります。施工した工務店がそのまま建物のメンテナンスを担当するケースも多いため、施工した建物の管理も重要な役割です。
建物は、風雨や自然災害、経年劣化によって傷んでいくため、定期的なメンテナンスや修繕工事が必要不可欠です。工務店では、建物の状況を点検し、必要に応じて設備・内装の修理や交換、外壁の塗装、防水工事などを提案し、自社で工事したり専門業者を斡旋したりします。
工務店の種類
工務店を規模や役割別に分けると以下のように分類できます。
- 下請け業務型・・・大手ハウスメーカーからの受注がメイン
- 地域密着型・・・地元客からの相談や紹介がメイン
- フランチャイズ型・・・フランチャイズのブランド力を活用する工務店
- 独立自営型・・・営業から施工まで自社で行う工務店
種類別にどのような違いがあるのか詳しく解説していきます。
下請け業務型
下請け業務型の工務店は、大手ハウスメーカーから仕事を受注して施工管理をメインの業務とする工務店です。下請け業務型の工務店は、大手ハウスメーカーの設計に基づいて建物を建てることが多いため設計の自由度は低いものの、大手ハウスメーカーの高品質の住宅を建てられる点、営業力が低い会社でも仕事を獲得できる点が魅力です。
地域密着型
地域密着型の工務店は、地元の人との繋がりが深く、地域にある営業所や住宅イベント、紹介などからお客様を獲得しています。
地域に根ざした工務店は、その地域の気候や風土、景観などを熟知しているため、地域に合った建物を建てることに強みを持っています。大手住宅メーカーに比べて安価に立てることができる点もお客様に選ばれる理由のひとつです。
フランチャイズ型
フランチャイズ型の工務店は、フランチャイズ展開している会社の加盟店として施工する工務店です。
契約料やロイヤリティーの支払いが必要になりますが、フランチャイズ契約することで、フランチャイズ本部の技術やノウハウ、ブランド力を生かして、営業力の強化や高品質で低コストな住宅を建てることができます。
独立自営型
独立自営型は、自社で営業から施工管理、メンテナンスまで行う工務店です。独立自営型の工務店は地域のニーズに合わせて、独自の設計や施工を行うことができる点も魅力となっています。
選ばれる工務店になるポイント
お客様に選ばれる工務店になるためには、家を建てたい・リフォームをしたいお客様の要望を聞くだけでなく、ときにはプロ目線で正しい方向に導くことも大切です。自社の商品やサービスを正しく理解していることも必要であり、お客様に応じた柔軟な対応が求められます。
契約を急ぎすぎず、お客様との信頼関係をじっくり築くことも重要です。自社の特徴やメリットを明確に説明して信頼を獲得し、競合他社について悪くいうことは避けなければいけません。
契約後のフォローを行う会社が多く、契約後長期に渡って信頼関係を続けられるようお客様対応が非常に重視されます。
プロ目線で正しい方向に導く
選ばれる地方の工務店になる重要なポイントのひとつは、住宅のプロ目線でのアドバイスです。お客様には家づくりに関する知識や経験が不足していることが多いため、要望だけを聞いていると住みづらい家になってしまったり、話がまとまらないケースも考えられます。
工務店は自分たちの専門知識を活かして、お客様が本当に必要とする家づくりを実現するため、ニーズを理解して必要なアドバイスを提供することが求められます。
契約を急ぎすぎない
住宅の購入はほとんどのお客様にとって、人生で一番高額な買い物になります。そのため契約締結まで検討に時間をかけるケースが多いのが特徴です。
契約に至るまでに何度も打ち合わせを行い、お客様の要望や予算、スケジュールなどを確認し、納得し信頼を獲得できなければ契約に繋がりません。
前向きに考えているお客様が、契約を急かす態度を見て冷めてしまうというのもよくあるケースです。会社としては早く成約したいという気持ちを持っていても、その気持ちがお客様に悟られないように、背中を押すようなスタンスで挑むことが重要です。
競合他社を悪く言わない
他社のプランや商品を比較することはよくあるケースですが、競合他社を悪く言うことは避ける必要があります。
お客様は自分たちの家づくりにおいて、複数の選択肢を検討しているものですが、知りたいのは競合他社の悪口ではなく、違いや自社のメリットについてです。お客様が求めていることは何かを理解して、自社の強みをアピールすることに注力しお客様に信頼される提案をすることが大切です。
契約後のフォローも丁寧に行う
地方の工務店において、契約後のフォローも非常に重要です。建設現場に立ち会い、工事の進捗状況をお客様に報告するなど、お客様が完成まで安心できるように契約後も十分なサポートを行っていきます。
メールのやりとりは即時を徹底する
メールのやり取りは正確で即時の対応が求められます。特に、お客様とのメールのやり取りは、急ぎの案件であるケースもあり電話対応と同様に迅速で正確な返信が必要です。
ただし、急ぐあまり、文章に誤字脱字が多かったり、内容に不備があったりするとかえって不信感を抱かれる可能性があるので注意が必要です。
また、お客様からのメールに対しても、即時返信を徹底することで、お客様との信頼関係を構築することができます。ただし、返信に時間がかかる場合には、必ず事前にお客様にご連絡をするように心がけましょう。
工務店の仕事に将来性はあるか
ここまで工務店の仕事内容や選ばれる工務店のポイントをお話しましたが、仕事そのものに将来性はあるのか不安な方もいらっしゃると思います。
野村総合研究所が発表したレポートによると、2040年度の新設住宅着工戸数は2021年の87万戸から49 万戸に減少するといわれています。少子高齢化による世帯数の減少やストック住宅の増加などがその理由に挙げられています。
そのため今後は中古物件や空き家のリノベーション住宅を購入する方が増えると見られ、新築住宅だけでなくリフォーム事業にも力を入れている工務店は勝ち抜ける可能性が高くなると考えられます。
また、2020年に「改正省エネルギー基準」が義務化された影響から、「ZEH」化住宅と呼ばれる消費エネルギーがゼロの新しい家づくりも求められています。最新の環境性能や設備開発に取り組んでいる工務店は将来に向けてしっかり備えているといえるでしょう。
まとめ
工務店の仕事は、職種ごとに専門性が求められ、いずれも住宅や設備、ローンなど家づくりに関する広範な知識も必要になります。住宅の知識や自社の商品のことを学び、お客様からの長期に渡る信頼を獲得していくやりがいのある仕事といえるでしょう。
工務店で働くうえで成果を出すポイントは、丁寧で正確な施工は当然のこととして、住宅のプロとしてお客様を正しい方向に導き、一生に一度の買い物である住宅購入に満足し信頼いただける家づくりを行うことです。
今回ご紹介した内容は工務店の仕事内容のほんの一部です。実際にはご紹介した業務に付随する様々な仕事を日々こなしていく必要があります。工務店の仕事をされる、これから目指される皆さまが、工務店で働くプロとしてお客様に信頼されやりがいを持って働けることを願っております。
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